
書きおこし(STARTUPS SELECTION® TOKYO特集)
【第2回】東大出身社長。数百店舗導入を誇るAI姿勢分析システムとは。
2021.04.28
新進気鋭な若⼿スタートアップ起業家たちにスポットライトを当てる、ラジオ番組×雑誌×webメディアの連動プロジェクト「STARTUPS SELECTION® TOKYO」。第2回目ゲストは、株式会社Sapeet代表取締役の築山 英治さん。東大発の最先端技術を用いた独自のビジネスに注目が集まっている。
▲YouTubeにも放送内容を上げております▲
Contents
株式会社Sapeet 代表 築山 英治さん
YAZAWA:本日のゲストは、3Dアルゴリズムによるカラダ分析・可視化技術を用いて体型推定ソリューションや、治療院向けのAI姿勢分析システム「シセイカルテ」を提供している、株式会社Sapeetの代表 築山 英治さんです。
築山さんとは実は同い年なんですけど、同い年とは思えないぐらい成功されていて。東大、大学院をご卒業後、創業して2年半でMAを経てもう6期目って…本当に凄いです。そんな優秀な築山さんの成功の秘訣や普段考えてることなど幅広く聞いていきたいと思います。
築山 英治さん(以下、築山):ご紹介ありがとうございます。本日はよろしくお願いします!
YAZAWA:早速ですが、現在のお仕事内容を具体的に教えていただけますか?
築山:Sapeetではソリューション事業とプロダクト事業の2つを行っています。
ソリューション事業というのは、3DCGや機械学習、画像処理などの技術を用いて、アパレルやフィットネスなどの小売業の起業様に技術をカスタマイズして売るといったビジネスになります。
その中でプロダクト化したのが「シセイカルテ」で、整体や整骨院などに向けたサービスになります。これはスマホや ipadで写真を撮るだけで、 AIが患者さんの姿勢を分析したりオススメのプログラムを出してくれるプロダクトなんです。
YAZAWA:どれくらい詳しく分析できるんですか?
築山:右肩が何度上がっているとか、お腹が太りやすいとかですね。
YAZAWA:そんなことまでわかるんですね。どうやったらお腹が太りやすいなど分かるのですか?
築山:体に関する職業の方々、例えば理学療法士さんや整形外科の先生など様々な方に監修いただきながら開発しました。
YAZAWA:私たちも治療院に行ったら実際にそれを使って姿勢分析してもらえますか?
築山:もう数百店舗ほど導入いただいているので是非!地方にも広がっていて現在40都道府県くらいですね。
あと意外に歯医者さんでもご利用いただいています。歯並びに姿勢って重要に関わるらしいんです。
YAZAWA:面白いですね。インバウンドで歯医者さんからお問い合わせがあったんですか?
築山:そうですね。そこは意外でした。

サービス開発の原点は、学生時代の悲しいエピソード。
YAZAWA:今のサービスは大学院で研究されていた内容そのまま突き詰めたんですよね?
築山:そうです。大学院では、ネット上で服の試着が3D でできるっていう研究をしていました。
振り返ると、ホリエモンが世間を騒がせていた高校生頃から漠然と「社長はかっこいいな」という思いはありました。
とは言え、当時何かをしようというビジョンはなかったので、とりあえずアメフト部に入って、入部当初60kgだった体重が4年生になって100kgぐらいになったんです。
YAZAWA:40kg増ですか?!
築山:その時にネットで買ったジャケットが届いてみたらパツパツで着られなくて…。学生にしては結構いいジャケットを買ったのに無駄になるという悲しい経験をしたんです。
実は周りのメンバーも同じような経験をしていて、それってネット上で服の試着ができないことによる問題だなと。そこを解決してみたいなと思って始めた研究が今に繋がっています。
YAZAWA:高校生の頃から漠然と起業したいという思いはあったんですね。 それを実際に形にできるというのは凄いことだと思います。

コロナの影響は?ピンチをチャンスに変える力。
URUSHI:昨年からのコロナ禍の影響はありますか?
築山:アパレル業界や小売業界のお客様に関しては、技術的な予算投資が後回しになってしまって、プロジェクトが後ろ倒しになるケースはありました。その分4月に一時的に売上が落ちましたが、シセイカルテが同時に立ち上がってきたので、その後は順調に伸びているという状況です。
URUSHI:シセイカルテの存在が大きかったのですね。
築山:そうですね。ただ、後ろ伸ばしになるパターンがある一方で、デジタル化を推進しなければいけないという危機感もあって、そういうプロジェクトが新たに入ってきたこともあってマイナス分が相殺されたという感じですね。
YAZAWA:何だか成功してる人って運もいいですよね。
築山:割と持ってると思います(笑)
URUSHI:お話を伺っていると、ピンチをチャンスにするパワーがすごくあるなと感じました。
若手起業家が注目する新たなビジネスチャンス。
YAZAWA:築山さんが今注目している事について教えてください。
築山:シセイカルテのサービスもその1つですが、デスクレスワーカー向けのデジタル化、DXです。今までの IT化やデジタル化は、パソコンを使って仕事をしている方向けで、パソコン内でシステムを作って便利にしていくみたいな流れだったんです。最近は、パソコンを全然触っていない現場スタッフでもメリットが享受できるようなサービスがどんどん立ち上がっているんです。
YAZAWA:パソコンを開かなくても普段から触っているスマホや ipadで解決できるということですね。
築山:そうです。シセイカルテはスマホや ipadで写真を撮るだけなので、治療院の若手の方でも簡単にお客様のことが把握できて、いい施術ができるのが特徴のサービスです。
URUSHI:今後、新規事業としてそういったプロダクトを増やしていきたいとお考えですか?
築山:はい。そのあたりを攻めていきたいと思います。
あと最近ですと、NFTアートに興味があります。NFTは、ブロックチェーン上に保有できるNon-Fungible Token(非代替性トークン)のことですが、画像や動画などのデジタル資産の所有権の証明書みたいなものです。
コピペすればデータ自体はいくらでも複製できるんですが、ただこのデータの持ち主は誰だっていうのを証明するためにNFTが使われていて。それがすごく面白いなと思っていて、1つの動画が数百万円でオークションで落札されたり、NBA選手の名場面動画の所有権が数千万円で売買されたり、市場がもう数百億円規模になっているんです。
URUSHI:新しい時代の文化の楽しみ方ですね。
築山:もしどんどん付加価値が生まれて売買できるものになれば、単純に資産価値としても1つの選択肢になるのではないかと思います。

最近のオススメとプライベートの過ごし方。
YAZAWA:続いてはプライベートについても色々と掘り下げていきたいと思います。
まず、1日のスケジュールについて教えてください。
築山:始業が10時半で、就業は早いと20時くらいなんですけど、結構みんなバリバリ働いています。
最近はリモートワークで運動不足になりがちなんで、昼休憩にHIIT(ヒート)っていう4分間めちゃくちゃ運動するやつをyoutubeで見ながらやって気分転換しています。
YAZAWA:効果は実感できていますか?
築山:まだ初めて2週間ですが頑張ってます!最近お酒を飲んでだいぶお腹にも脂肪がついてきているので(笑)
YAZAWA:続いて、お休みの日は何をされているんですか?
築山:最近だと皇居ランです。家を引っ越して皇居が近くなったのでちょっと走ってみようかと。あと友達から誘われてゴルフもするようになりました。
YAZAWA:いいですね!私も最近ゴルフ始めました。 それこそゴルフって姿勢が大事だって言われますが、新規事業としていかがですか?
築山:姿勢大事ですね。僕もアプリで写真を撮ってフォームを見るやつをやっています。 当社でもやりたいなぁと思うんですけど、無料アプリも多いので予算としてどれだけ投下できるかですね。
YAZAWA:最近ハマっていること、オススメしたいものを教えてください。
築山:最近は運動するっていうこともあってサウナですね。パソコンで仕事をしていると、 情報をインプットされ続けていて、ずっと何かを考えている状態にあるかなと。サウナはもちろん機器は持込み禁止なので、インプットから解放されて頭を整理する時間が強制的に取れるっていうのはいいですね。
まぁ色々整理したいなと思いつつ熱すぎて考える余裕がなくなってくるんですけどね。 単純に熱い中に入ってその後水風呂で締めて休憩する、いわゆる整えると、疲れた体がすごくスッキリします。

現役東大合格の秘訣。模試2点からの驚異の追い上げ。
URUSHI:独自の勉強法などありますか?
築山:基本的にいろんな参考書を使わず、2、3冊の参考書をひたすら反復的にやることですね。 夏までずっと野球をやっていたんで、その時は全然勉強できてなくて。東大模試の歴史か何かで2点をとって流石にやばいなと。そこから1日10時間くらいずっと勉強してギリギリ滑り込みました。
URUSHI:集中力が以前から高いんですか?
築山:部活をやってると突発力があるというのはよく言われますね。
URUSHI:これまで集中して徹夜で乗り切ったエピソードなどあったりしますか?
築山:部活をやっている時は、ほぼ一夜漬けでやってました。
でも歴史で2点を取った頃は、当然Eランクとかでこのままじゃいけないなと思いました。
YAZAWA:それでスイッチが入って追い上げたんですね。
築山:大学に受かった後に校長先生から「お前は今年じゃないと思ってた」と言われましたね。成績的には順当にいけるという訳ではなかったので、試験当日の突破力ですね。
URUSHI:そういう時期はいわゆるゾーンに入っていたりするんですか?
築山:いえ、その頃は彼女にフラれてゾーンに入る余裕なかったです。ある意味脇目もふらず勉強に集中できたんですがね。センター試験の小説ばかり読んでやたら感情を揺さぶられたりしてました。(一同爆笑)
YAZAWA:最後にお伝えしたいことはありますか?
築山:今サービスが伸びていてエンジニアやセールスなど絶賛募集中なので、ご興味持っていただけると大変嬉しいです。
YAZAWA:本日のお話を伺って、私も入社できたら楽しい会社だろうなと感じました。今後のますますのご活躍に期待しております!本日はありがとうございました。

■「STARTUPS SELECTION® TOKYO」第2回目放送
YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=yK-UvCyZbuk
ゲスト
■築山 英治(つきやま えいじ)
株式会社Sapeet 代表取締役CEO。
学部時代にアメフト部に所属し、体型の変化から服に困ったことをきっかけに、大学院にてクラウド着装シミュレーション(3Dネット試着)の研究に従事した後、株式会社Sapeetを創業。3DCG/機械学習技術を用いたカラダの解析サービス(体型推定、姿勢分析、etc)に注力する。
パーソナリティ
■YAZAWA(やざわ)
元・株式会社nene 代表取締役。2018年にネット秘書サービス「nene」を創業後、2020年に事業を売却。株式会社Wizが子会社化。代表取締役としてサービス拡大に従事したのち、自身の会社で新しい事業の立ち上げを行う。
■URUSHI(うるし)
株式会社OKPR 代表取締役。2016年に「OKPR」を創業後、2020年にM&Aにて株式会社VOYAGE GROUP(CARTA HOLDINGS)入りする。情報経営イノベーション専門職大学の客員教員や、東京都やEY新日本監査法人が主催するプログラムにおいてメンターも務める。課外活動として「サムライ広報会」も主宰中。
■シセイカルテ
https://www.shisei-karte.com/
体の歪みを3D解析アルゴリズムで分析、施術前後の効果を可視化し、誰でも理解しやすい形で伝える姿勢分析システム。